武の言葉1

2022-04-29

 

『気剣体の一致』や『守破離』など、武道しているとよく耳にしたりする言葉たち。「意味は?」と聞かれたら、定かに答えられないものもあるのではないでしょうか。そこで今回は、そんな武道熟語についてのコラムを作ってみました。武道でよく使われる言葉を知って、修行に励みましょう!

残心(ざんしん)

攻撃後も、油断することなく、相手の反撃に対応できる身構え・心構えのことです。剣道では一般的には、打突後に間合いをとって中段の構えになり、相手に正対する。この残心がないと、有効打突と認められません。極真空手では、型の競技で最後の動作が終わると気持ちが抜けたり、最後の礼の途中で服装を直したり、帯を直したりする癖がついている人を見かけます。

組手の競技でも、攻撃の後に相手に背中を向けたり、気を抜いて相手から打撃を当てられてしまっている人もいます。

古来より武術には、相手と戦う上で大切な「残心」や「残身」という実践上の重要な教えが説かれています。全身の気力を傾けつくして打ち、油断のない心が「残心」となるのです。「受け」で終わるのではなく、受けた時に反撃できる心の構え(かまえ)が必要であり、実際に反撃できる体勢であること。

型の最後の挙動が終わった後、すぐに気を抜いたりダラダラすることを、空手では厳しく戒められています。最後まで油断なく、いつでも変化に対応できるように気を緩めず、静かに元の位置の戻ることが大切です。演武が終わり、一礼が終わるまで、しばらくは気力を充実させていることが、型に残心(残身)をつくります。

 

空手の型の稽古で、日常で忘れかけている「残心(残身)」を体験してみてはいかがでしょうか。